貴志 祐介

イラスト1
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文庫

講談社

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まだこの作家の作品はあまり読んでいないのではっきりとは言えないのですが、多分この作家の本領が最大限に発揮された作品ではないでしょうか。この作品世界は普通の人間の想像力を超えています。

1000年後の日本のとある集落「神栖66町」では、子供達は「呪力」を身につけるべく学校で訓練を受けていた。
 主人公の渡辺早季は夏季キャンプで「ミノシロモドキ」から今の時代の禁断の知識を教えられる。その後早季達は「バケネズミ」の襲撃により捉われてしまうが、「塩屋虻コロニー」のバケネズミ・スクィーラや「大雀蜂コロニー」の援軍に助けられ、無事「神栖66町」に帰りつくことができたのだった。
 そして、早季達も14歳になった。

とにかくそのイマジネーションに圧倒されます。

「呪力」とは念動力のことですし、「ミノシロモドキ」とは先史文明が遺した「国立国会図書館つくば館」の端末機械であり、「バケネズミ」とはハダカデバネズミから進化したとされる生物のことです。

このようにこの通常の小説とは異なる概念が随所に出てきます。これはSFであり、世界観からすればファンタジーと言えるでしょう。その世界がきちんと成立していて、読んでいて違和感がありません。勿論、探せば細かな矛盾点や論理の破たんしている個所などが見つかるのかもしれませんが、見つけようとも思はないほどに、作家の筆力で押し切られてしまいます。読み手はその世界観に飲み込まれてしまうのです。

ただ、私のようにSFやファンタジー好きの人間にはたまらない物語ですが、そうしたj空想小説が好みで無い人には受け入れられないと思います。
 また、1000頁を超える分量で、文庫本でも上、中、下の三分冊になる大長編です。ライトノベルに慣れた人にも取り付きにくいかもしれません。しかし、一度入り込んでしまえばこの不思議な世界の虜になることでしょう。

第29回日本SF大賞受賞作品です。

[投稿日]2015年04月09日  [最終更新日]2015年4月9日
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