金子 成人

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付添い屋・六平太シリーズ』とは

 

本『付添い屋・六平太シリーズ』は、痛快時代小説の定番の一つである市井に暮らす素浪人の用心棒稼業を描いた、連作の短編より構成されている作品です。

「付き添い屋」という新しい名称を付けたシリーズものですが、面白く読みやすいシリーズです。

 

付添い屋・六平太シリーズ』の作品

 

 

付添い屋・六平太シリーズ』について

 

本『付添い屋・六平太シリーズ』はいわゆる文庫本時代劇と言われる作品群に属し、一巻に四話ほどの短編が収められています。

連作短編集として浪人者の主人公を中心とした様々な人物が、各巻ごとに事件を解決していくという痛快時代劇小説の王道を行く物語です。

主人公は秋月六平太という浪人者で、信州十河藩で供番を勤めていたものの、お定まりの藩内権力抗争のあおりでお役御免となり、江戸に出てきたものです。

大店の内儀や娘の付き添い、つまりは用心棒稼業などで糊口を凌ぎつつ、血のつながらない妹の佐和と共に浅草に住んでいるのですが、普段は髪結いのおりきの家に転がり込んでいるのでした。

稼業が稼業ですので何かと面倒事に巻き込まれる六平太ですが、同心の矢島新九郎という道場の後輩などの力を借りつつ何とか事件を解決していく姿が描かれています。

作者が日本有数の脚本家( 金子成人 : 参照 )ということもあり、とても読みやすい文章であり、物語のつぼが押さえられている作品です。

[投稿日]2017年12月17日  [最終更新日]2024年3月31日
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他にも多数の作家がおられますが代表的なものだけ取り上げました。
鳥羽 亮
剣客春秋シリーズ」など、数多くの作品を著してしておられます。自らが剣道三段という腕前でもあり、剣戟の場面には定評があります。
辻堂 魁
まだあまり読んでないので大きなことは言えませんが、「風の市兵衛シリーズ」は主人公が「渡り用人」というユニークな設定で、痛快と言うにふさわしい、とても読み易いシリーズです。
野口 卓
軍鶏侍」でデビューされたのですが、藤沢周平作品を思わせる作風は当初から高い評価を受けていたようです。
佐伯 泰英
人情ものというよりは、痛快時代小説というべきでしょう。でも、代表作と言えるであろう「居眠り磐音江戸双紙シリーズ」は軽く読める作品として紹介に値すると思います。
鈴木 英治
この人の作品は「口入屋用心棒シリーズ」を始めとする痛快活劇小説と言える作品が多いようです。

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【著者に訊け】脚本家・金子成人『付き添い屋・六平太』語る
生きる。すなわちそれは〈生業〉を持ち、日々の生計を立てることでもあった。武士とて例外ではない。わけあって浪人に甘んじ、浅草・元鳥越の借家に妹と暮らす元・信州十河藩藩士〈秋月六平太〉の場合、商家の子女の警護などをして日銭を稼ぐ自称〈付添い屋〉が、現在の飯の種だ。

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