海道 龍一朗

イラスト1
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文庫

講談社

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下流公家ではあるが天皇の信任の厚い立入左京亮宗継は山科言継と共に天皇の耳目となるべき禁中御庭番を作ろうと思い立つ。そこで上泉伊勢守信綱、宝蔵院胤榮、柳生宗巌との知恵を借りて5人の若者を選びだした。新陰流の丸目蔵人、宝蔵院の大角坊、堺の商人の息子楠葉西門、陰陽師の香阿弥こと土御門有之、そして柳生宗巌の妹の凛の5人である。5人は織田信長の動向を探るべく、山科言継の同行者としてまずは岐阜へと旅立った。

選ばれた5人が活躍する活劇ものだと思っていました。確かにそうではあるのですが、歴史的事実の方が主人公だと感じました。つまり、歴史的事実があって、その狭間に本書の5人の行動が当て嵌められている感じなのです。勿論、この5人の役目が天皇の目となり、耳となることであって、何事かを為すことではないのでそれも当然ではあるのでしょう。

しかし、個人的には「驚天動地の大活劇がいま始まる。」という謳い文句なのですから、冒険活劇小説を期待していたので残念でした。この5人が何事かを為すことにより歴史的事実が変わるわけも無いので当り前ではあるのですが、そこはもう少し期待していたのです。歴史が好きで詳しい人ならばかなりはまる小説かもしれません。

この作品の後に「真剣」を読んだのですが、「真剣」はあまり資料がないからかもしれませんが、非常に面白く、この作家の力量に脱帽でした。

[投稿日]2015年03月16日  [最終更新日]2015年3月16日
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