誉田 哲也

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新刊書

文藝春秋

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調査実績が信頼の証明。お客様のお悩みを、超能力で解決いたします!お困りの際は、迷わず当事務所まで。『武士道』『ストロベリーナイト』シリーズの著者による最高に楽しいエンターテインメント誕生!!(「BOOK」データベースより)

本書は、超能力者が、その能力を生かして「内実は普通の探偵業とあまり変わらない」業務をこなす超能力師事務所の姿を描いた、全七編の連作短編小説集です。どちらかと言えばエンタメ性の強い人間ドラマです。

本書は、第一話「初仕事はゴムの味」では、なりたての新人二級超能力師である高原篤志の視点で、第二章は高原篤志の先輩二級超能力師である中井健の視点でと、増山事務所の所員それぞれの視点で語られていきます。

今でこそ超能力の存在が世間で認知されているのですが、かつては超能力者たちは「普通の人」からは拒絶され、社会的に排斥されていました。しかし、科学の力で超能力の存在が認められてきた頃、超能力者たちの社会的な地位を守るために「日本超能力師協会」が設立されたのです。書評家の藤田香織氏は本書を「マイノリティの物語」と評していましたが、社会的に認知された今でもなお、なんらかの壁を感じながら生きている超能力者たち。彼らの過去の物語をはさみながら各話が語られていきます。

誉田哲也の描くエンターテインメント小説ですので、謎解きの要素も絡めながら、面白く仕上げられているのですが、『ストロベリーナイト』のような上質のミステリーの著者であることを考えると、この作家の作品の中での優勢順位はそれほど高くは無いでしょう。とはいえ、シリーズ化されて続編が出るのであれば、勿論読みたいと思う一冊です。

超能力者を描いた小説と言えば、筒井康隆の『家族八景』から始まる七瀬シリーズがあります。この作品は他人の心を読める火田七瀬の、その能力故の悲哀を描いた名作です。また宮部みゆきの『クロスファイア』は発火能力者の青木淳子のアクション性の強い物語でした。一昔前になると、 小松左京の文字通りのタイトル『エスパイ』があります。超能力(エスパー)を持ったスパイなので「エスパイ」です。実に漫画チックだった記憶があります。もう50年程も前の作品です。

海の向こうの作品ではS・キングの『ファイアスターター』は発火能力者の女の子の物語。発火能力(パイロキネシス)という言葉を作ったのもキングだそうです。キングには他にも『キャリー』があります。念動能力(テレキネシス)を持つ少女がいじめを受け殺戮に及ぶという物語でした。

[投稿日]2015年04月19日  [最終更新日]2015年4月19日
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