朝井 まかて

イラスト1
Pocket

文庫

講談社

写真は Amazon にリンクしています。

楽天Booksは 楽天Books へ。


この作家には珍しい(と思える)作品です。

これまで読んだ作品は皆この人の格調高い文章を生かした内容だったので、本書のようなを書かれるとは思っていませんでした。

一膳飯屋の行かず後家の「お以乃」、御家人の妻の「お志花」、小間物を商う大店の女主人の「お蝶」という、かつて「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれたアラサー三人組が織りなすコメディなのです。

「抜け参り」とは、「親や主人の許しを受けないで家を抜け出し、往来手形なしで伊勢参りに行くこと。」だそうで、本書の三人もある日突然、誰にも、何も言わずにお伊勢参りへと出立します。その旅先で繰り広げられる騒動記なのですが、結論から言うと結構面白く読みました。

最初は何となく乗り切れず、この朝井まかてという作家さんはコミカルなタッチには向かないとまで思い始めていたのですが、江戸を抜け箱根の山を超える頃からでしょうか、はっきりとしたイベントが起き始めるとテンポ良く感じてきたのです。

結末に絡んできそうな、あの人との出会いなどもありつつ、人情話も絡め、格調の高い、しっとりと読み込ませる文章だけではないこの作家の別な側面を知りました。

楽しい作品でした。

[投稿日]2015年03月27日  [最終更新日]2015年3月27日
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です