浅田次郎

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文庫

文藝春秋

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新選組三部作の第二弾です。新選組の成立期、それも芹沢鴨の暗殺事件の裏面史といったところでしょうか。「輪違屋糸里」というタイトルではありますが、糸里は重要ではあっても登場人物の一人でしかありません。主人公は新選組と言って良いほどです。

本書は近藤や芹沢といった新選組の面々と、それに対峙する立場としての「女」が重要な存在になっています。その女の一方の代表として島原の最高位である太夫の次に位置する「天神」である糸里がいて、もう一方に新選組の屯所になった八木家、前川家の夫々の女たちがいます。これらの女たちの目線と永倉新八や沖田総司他の独白とで客観的な新選組を浮かび上がらせているのです。

本書で示される芹沢像や、その芹沢像に基づく暗殺事件そのものの解釈については、浅田次郎の独特の解釈が為されています。この解釈については異論があるところでしょう。しかし、一編の物語としての面白さは素晴らしいものがあります。

本書を含めた新選組三部作では、侍ではないが侍になりたかった(百姓の)集団としての新選組が描かれています。そして、特に本書では真(まこと)の侍としての芹沢達を配置することで、侍たらんとした近藤達が描かれているのではないでしょうか。また、これまで読んだ色々な小説の中でこれほどに詳しく芹沢鴨を描いた作品を知りませんし、更に言えば新見錦や平山五郎の人物像をも詳しく描写しているのもまた新鮮でした。

京都の『島原』と、本書で音羽大夫が芹沢鴨により手打ちにされた場所と書かれている『角屋』については、下記「浅田次郎関連リンク」参照

[投稿日]2014年12月25日  [最終更新日]2015年3月25日
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関連リンク

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島原の「芸妓」と江戸吉原「娼妓」の違いなど、「輪違屋糸里」を読むに際し知っておいた方がいい、というよりも、知っておくべき事柄など、京都の島原について書いておられます。勿論この知識があれば更に面白く読めると思います。
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こちらも同様に「輪違屋糸里」についての豆知識。角屋(すみや)について豊富な写真と共に書かれています。このサイトは京都についての情報際サイトでもあります。
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新選組関連の本だけを纏められたサイトで、その量は凄いです。勿論浅田次郎の三部作についても書いておられます。

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