浅田次郎

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文藝春秋

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新選組三部作の第三弾です。新選組の斎藤一の名前をひっくり返して読みの漢字を少々変えると「一刀斎」。

作者によれば、子母澤寛の「新選組遺聞」の中に記されているが、その存在が確認されていない「夢録」(むろく)という口述記録を「捏造してしまった」のだそうです。

本書も、明治時代をも生き抜いた斎藤一の語る言葉を聞く、という形で物語は進みます。聞き手は全国武道大会の決勝まで進む腕を持つ近衛師団の梶原中尉という人物です。梶原の連夜の訪問に、斎藤一は煩わしい風を装いながらも語り聞かせるのです。その斎藤一の語りは新選組の成立の当初から消滅に至るまでを網羅するものなのですが、主に三部作の他の二冊で語られていない事実について語られています。それは途中から新選組を離脱し御陵衛士を結成した伊東甲子太郎(いとう かしたろう)の暗殺(油小路事件)や、坂本竜馬の暗殺事件の真相にも触れ、更に維新時の会津での戦いや明治に入ってからの西南の役にまで及びます。

『壬生義士伝』は吉村貫一郎という人間を通して家族を語り、『輪違屋糸里』では芹沢鴨暗殺事件を語り、そして両者ともに各人の話を通して新選組を語っていました。でも本書は斎藤一という人斬りを自らの仕事とした個人を描くことで新選組を語っているようです。

2013年のNHK大河ドラマ「八重の桜」を見て斎藤一と言う人物に関心を持っているところで本書に出会い、読んでみたのです。浅田次郎の作品を読んだのは本書が初めてだったこともあり、かなりの衝撃を受けました。ベストセラーであることも後に知りました。この後この作家の作品を立て続けに読んでいますがどの作品も外れがありません。

是非一読されることをおすすめします。

[投稿日]2015年03月22日  [最終更新日]2015年3月22日
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新選組を描いた小説

他にもありますが、自分で読んだ中ですぐに思い出すものです。
壬生義士伝 ( 浅田 次郎 )
実在したらしい吉村貫一郎という武士を新たに性格付けをした、家族愛に満ち満ちた落涙必死の名作です。
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本

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