「薮入りには帰っておいで。待ってるからね」母の言葉を胸に刻み、料理茶屋「橘屋」へ奉公に出たおふく。下働きを始めたおふくを、仲居頭のお多代は厳しく躾ける。涙を堪えながら立ち働く少女の内には、幼馴染の正次にかけられたある言葉 … “待ってる 橘屋草子” の続きを読む
金色機械 2015年10月27日
時は江戸。ある大遊廓の創業者・熊悟朗は、人が抱く殺意の有無を見抜くことができた。ある日熊悟朗は手で触れるだけで生物を殺せるという女性・遙香と出会う。謎の存在「金色様」に導かれてやってきたという遙香が熊悟朗に願ったこととは … “金色機械” の続きを読む
終末のフール 2015年10月25日
本書『終末のフール』は、三年後に小惑星の衝突により滅亡する世界で生きていくとある団地の住人を描いた、文庫本でで384頁の連作の短編小説集です。 一旦はパニックに陥ったものの今では落ち着いている世界で生きていく人たちの日常 … “終末のフール” の続きを読む
群青のタンデム 2015年10月20日
少々毛色の変わった警察小説で、全部で八話からなる連作短編集す。ただ、各話の間には全体で一つの長編と言ってもいい程の強いつながりがあります。 本書の主人公は戸柏耕史と陶山史香ということになるのでしょうか。二人は警察学校での … “群青のタンデム” の続きを読む
教場 2015年10月19日
本書『教場』は、文庫本で324頁の、警察学校を舞台にした全六編からなる連作のミステリー短編集です。 『週刊文春ミステリーベスト10 2013年』の第1位、『このミステリーがすごい! 2014年版』で第2位、そして2014 … “教場” の続きを読む
新選組藤堂平助 2015年10月15日
文久元(1861)年、伊勢・藤堂家の御落胤との噂がある藤堂平助は、ふとしたきっかけで土方歳三と知り合い、天然理心流の試衛館の食客となる。北辰一刀流を使う平助は、ある時、同門の清河八郎から、浪士隊の話を聞き、近藤勇らととも … “新選組藤堂平助” の続きを読む
獣眼 2015年10月11日
『獣眼』とは 本書『獣眼』は『ボディガードキリシリーズ』の第一弾作品で、2012年10月に徳間書店からハードカバーで刊行され、2015年7月に間文庫から665頁の文庫として出版された長編の冒険小説です。 大 … “獣眼” の続きを読む
夜叉萬同心 冬かげろう 2015年10月5日
『夜叉萬同心 冬かげろう』とは 本書『夜叉萬同心 冬かげろう』は『夜叉萬同心シリーズ』の第一弾で、2008年3月にベスト時代文庫から文庫本書き下ろしで刊行され、2017年3月に光文社文庫から335頁の文庫と … “夜叉萬同心 冬かげろう” の続きを読む
小さいおうち 2015年9月22日
本書『小さいおうち』は、文庫本で348頁の第143回直木賞を受賞した長編小説です。 昭和を生き抜いたひとりの女性の一途な思いを描いた、回想録の形をとった人間ドラマ、と言っていいと思います。 『小さいおうち』 … “小さいおうち” の続きを読む
キャベツ炒めに捧ぐ 2015年9月9日
「コロッケ」「キャベツ炒め」「豆ごはん」「鯵フライ」「白菜とリンゴとチーズと胡桃のサラダ」「ひじき煮」「茸の混ぜごはん」・・・・・・東京の私鉄沿線のささやかな商店街にある「ここ家」のお惣菜は、とびっきり美味しい。にぎやか … “キャベツ炒めに捧ぐ” の続きを読む