柚月裕子著の『孤狼の血』が映画化されるそうです

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早くに公開されていた映画化の情報

いつものように何気なくネットを見ていたところ、柚月裕子の『孤狼の血』が映画化されるという記事を見つけました。(柚月裕子「孤狼の血」映画化決定!“警察小説×『仁義なき戦い』”描く : 参照)

早速詳しい情報を調べたところ、当の東映のサイトで既に情報が公開されているではありませんか。

本日4月3日、2018年春に公開予定である映画『孤狼の血』製作記者発表会が盛大に行われました。
発表会には主役を演じる役所広司さんをはじめ、豪華キャストが集結。
さらに、巨大LEDパネルと大迫力映像、そして「警察小説×『仁義なき戦い』」と評される本作にちなみ、あの懐かしのテーマ曲が超満員の会場を沸かせました。

あらゆる正義と情念がぶつかり合う熱き物語は、もう始まっている―……。

とは、東映のサイト内にあった「映画『孤狼の血』製作発表会見のご報告」という記事内の一文です。

『仁義なき戦い』という映画

『仁義なき戦い』の暴力に満ちた画面の印象は、深作欣二という監督の手腕もさることながら、役者さん達の熱気が作り上げていた気がします。

つまりは当時の東映が持っていた雰囲気ですね。鶴田浩二、高倉健らの任侠映画は、やくざを描くとは言ってもそれは結局は筋を通す男の美しさ、ヒーローたちの様式美を描くもので、それまでのスターシステムの流れの上で作成されていたとも言えると思います。

その任侠映画が下火になり、次に東映が採用したのが実録路線です。そのきっかけとなったのが深作欣二監督の『仁義なき戦い』でした。

『仁義なき戦い』で見せた大部屋俳優たち

この映画では、東映の役者さん達、菅原文太や松方弘樹といったスターは勿論、とくに大部屋俳優と言われる川谷拓三、志賀勝といった人たちの熱気、情熱がそのまま画面に出ていたように思います。

川谷拓三らは後に売れていきますが、売れていない頃、実際に町に出て喧嘩を売り、チンピラの演技の弁虚をしていた、などと語っていたのを聞いたことがあります。ことの善しあしは別として、彼らの熱意なくしてあの映画は無かったと思うのです。

以降、あげくの果てには『県警対組織暴力』のような警察に喧嘩を売るような作品まで作ってしまうのですから、今の映画界では考えられないことだと思います。

『孤狼の血』という映画のキャストのスマートさ

『孤狼の血』という映画のキャストは、役所広司、松坂桃李、真木よう子、石橋蓮司、江口洋介という当代を代表する役者さん達で、監督はあの『凶悪』、『日本で一番悪い奴ら』の白石和彌監督だそうです。

このキャストを聞いた当初は私が知っている映画『仁義なき戦い』の雰囲気とはかなり異なる印象の映画になるのではないかとの危惧がありました。大部屋俳優たちの醸し出していた熱気が、このスマートなキャストで作り出せるのかという疑問です。あまりにスマートで格好良すぎるとしか思えないのです。

しかしながら、あらためて考えてみると役所広治というずば抜けた力量を有する役者に関しては悪くはなさそうです。ただ松坂桃李、江口洋介という役者さん達は格好良すぎる気がします。毒が無さ過ぎはではないかと思えるのです。

その後、余裕を持ってみると、かつての東映の雰囲気をそのままにこの小説『孤狼の血』を映画化するのでは、それはもう『仁義なき戦い』であり、『孤狼の血』ではなくなるのではないかと思えてきました。

『仁義なき戦い』とは異なる、『孤狼の血』という新たな映画への期待

であるのならば、今の役者さん達で新たな『仁義なき戦い』とも言うべき『孤狼の血』という新たなエネルギーに満ちた映画を作り出してもらいたいと思うようになりました。

好きな小説が、好きな役者さん達で映像化されるというのは、これは私にとっては読書の楽しみの一面でもあります。好きな小説を、一流の監督のもと、一流の役者さん達で映像化されるのですから、素人はできあがった作品を単に個人として評価すればいいように思っています。

いまは、ただそう思うだけです。面白い作品の出来上がりを期待するだけです。

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